EVENT/REPORT 19.06.28

「最後までハッピー続きの映画なんて存在しないように、人生山あり谷あり」。七転び八起き酒場 第4夜目・株式会社熊野古道おわせ 伊東将志さん

地域のソーシャルビジネスの最前線で活躍するゲストを週替わりでお迎えし、お酒を飲みながら語り合うNPO法人ETIC.でのプレミアムイベント「七転び八起き酒場」。講演会では聞けないようなソーシャルイノベーターたちの失敗談と、それらを乗り越えてきたエピソードから、地域社会における社会課題解決の本質を学びます。

第4回目のゲストは、株式会社熊野古道おわせの伊東将志さん。世界遺産の熊野古道があるまち三重県尾鷲市で、地元尾鷲のお母さんたちが地域の旬の素材を活用した料理を振る舞う「お母ちゃんのランチバイキング」、海洋深層水を使ったお風呂を提供する「夢古道おわせ(夢古道の湯)」で支配人を務めています。その取り組みは2008年に農商工連携88選に選出され、食アメニティコンテスト農林水産大臣賞を受賞。また商工会議所時代には(2014年まで、株式会社熊野古道おわせへは商工会議所からの出向)、全国初の会議所型長期インターンシップ事業と地域おこし協力隊中間支援事業をスタートさせ、事業担当として活躍されました。

さて、この「七転び八起き酒場」のルールは、その名の通りゲストは七転び語るまで帰れません!ということ。普通の講演会では中々語られることのない、リアルな失敗談が次々に語られます。

今夜の1転び目は、勉強嫌いで尾鷲が大好き、大学に行く意味を見出せず街の力になろうと18歳で商工会議所に就職するも、経験もないまま記帳指導の職員として配属され、がむしゃらにこれにあたるものの周囲に迷惑をかけまくり、泣きながらひたすら朝まで帳簿の打ち込みをしたというエピソードから。21歳までは苦労も多く、決して仕事ができるタイプではなかったから「大好きなまちで働いているのに、力になれている気がしない」と悩みに悩んだと語ります。

そこから2転び目、24歳になった頃にはそれまでそもそも所属すること自体が価値だった商工会議所が会費の元がとれないのなら退会したいという会員が増え、自分のやってきたこと・やっていることがまちのためになってないと感じるようになったこと。より直接的にまちのためになる仕事がしたいと思うようになったけれど、何ができるわけでもなく「勉強もしてこなかった自分はこういう人生を歩むのかな・・・」と途方に暮れたというエピソードを。

3転び目では、熊野古道の世界遺産登録後、三重県立熊野古道センターの設立に追って建てられた「夢古道おわせ」の担当者となり、いわくつき(大手百貨店系列のホテルが12年間で廃業、廃墟としてしばらく残っていた土地での開業だったのだそう・・・)のため周囲の評判は絶望的。一人また一人とプロジェクトから人が抜け、ついに残るは自分だけになってしまったこと(けれどここから、伊東さんの大逆転劇がスタートします!)。

4転び目では、「僕はこの会社3回クビになっているんですよね」と衝撃的な発言からの、必死になって働いた怒涛のオープン2か月間に、忙しさにかまけて重要人物とチームとの関係性をケアできずにクビになったというエピソードを。クビが決まってからしばらくの間、仕事がなさすぎておばちゃんとシュレッダーの取り合いとしていたというおまけ付きで。

5転び目では、当時の支配人が退職し呼び戻された「夢古道おわせ」で、画期的なアイディアを打ち出し続け話題になり、メディアに取り上げられてノリノリだったタイミングで訪れた2回目のクビについて。「おそらく調子に乗って、何かをケアできていなかったんでしょうね。活躍するとその陰で疎ましく思う人もいるし、そんなの関係ないと思っていたけれど、それが表に出ていたんでしょう。僕の悪い癖です。成功の仕方ってあるのだと学びました」と、周りからのアクションがないと気づけない性格の自分が踏んでしまった同じ轍だと語りつつ。

6転び目は、スナックで出会ったほろ酔いの大先輩に「地域活性化だ、まちづくりだと頑張っているけれど、結局尾鷲はどうなった? 人口も売り上げも減っている。それを何とかするのがお前の仕事じゃなかったのか」と言われて目が覚めて、インターン事業を始めたというエピソードを。

そして7転び目には、3回目のクビに至るまでのドラマのような珍事件について(詳細は、参加者だけの秘密です!)。

「この会で伝えたかったことはただ一つで、最後までハッピー続きの映画なんて存在しないように、人生山あり谷あり。その振り幅が大きい方が素晴らしい人生になるんじゃないかなと思うんです。そして、生きていれば自分の物語は更新され続けると同時に、最高も最悪も更新され続けるということ。脚本、主演、演出、キャスティングそのすべてを自分で決められる映画が、自分の人生だと思います」と締めくくりました。

「まさにドキュメンタリー映画を観た後のような感覚」と終了後に感想を語る参加者も。まさしく“事実は小説よりも奇なり”を体感した2時間でした!

さて、ついに「七転び八起き酒場」は折り返し地点に。残り4回のこの機会を、ぜひお見逃しなく!

 

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