INTERVIEWLOCAL VENTURE LABLVL OBOG 19.03.01

私たちのアイディアは地域で求められていて 迎え入れてくれる場所がある。

  • 第1期生

小菅奈穂子さん、達矢さん

奈穂子さんは、埼玉県出身1986年生まれ。美術大学に進学し、制作する中で「アートやデザインの社会的役割」に関心を抱く。「地域×アートプロジェクト」や美術館主催の「街づくりプロジェクト」に参加したあと、美術大学院に進学。「ヒーリングアート領域」を研究。医療や福祉など他業界とアート・デザインの掛け合わせに可能性を感じる。 メーカーにて営業事務を経験後、WEBスクールのスタッフとして営業や教材開発に携わる。 「U、Iターン希望者」に場所を問わずに働けるWebのスキル提供&提案をすべく、移住系イベントなどを企画実行する中で、自分自身も移住への想いが日に日に増している。 達矢さんは、埼玉県出身1982年生まれ。30歳直前で異業種からの転職を目指して以降、紆余曲折を経ながら現在、ベンチャー企業2社の開発に従事。また、WEBやプログミラングスクールなどで講師・アシスタントを務めている。 その他、個人的にも地域を問わず各種イベントへの登壇を行ったり、自らのブログ「Arrown」にて様々な情報を発信し続けている。

「いつか夫婦でゲストハウスを経営しよう」。
その約束のために、
自分も何か動き出そうと思ったんです。

LVLに応募した当時のお仕事を教えてください

小菅達矢さん(以下、達矢さん):フリーランスのエンジニアとして、プログラミングスクールで講師やアシスタントをする傍ら、スタートアップ企業でエンジニアとして働いています。

小菅奈穂子さん(以下、奈穂子さん):私はWEBデザイナーを育成する学校のスタッフをしつつ、デザイナーとしても少し活動しています。

どのようなきっかけでLVLと出会いましたか

達矢さん:もともと二人の共通の趣味がゲストハウス巡りで、「いつか自分たちでもゲストハウス経営を絶対やろうね」と話していたんです。そうした意識があった中で偶然ローカルベンチャーラボの募集を知り、妻にリンクを転送したことがきっかけで参加することになりました。ただ正直、リンクを送った時点では妻が実際に応募するとは思っていなかったので驚きましたよ。

奈穂子さん:夫とゲストハウス経営の話はしていたので、何か自分も動き出さないとなと思っていたタイミングだったんです。

今までに2人で30都道府県を巡り、ゲストハウスに宿泊していました。新婚旅行でも、岡山からスタートして瀬戸内海を横断して、福岡、そして沖縄と全部で8都道府県のゲストハウスに泊まりました。夫婦でのゲストハウス経営を意識したきっかけは、新婚旅行前に泊まった奄美大島のゲストハウスとの出会いです。そこはヨガの先生である奥さんと大工の旦那さんが夫婦で経営されていて、パン屋さんとヨガスタジオも運営されているゲストハウスでした。建物は大工の旦那さんの手によるもので、宿泊費はゲストハウス価格なのですが、とても素敵な内装で居心地が良くて。夫婦で経営されているという点も、モデルとして意識するようになったポイントでした。

LVLにどのようなことを期待して申し込みましたか

奈穂子さん:今借りている部屋がリノベーションOKの物件で、そうした関心もあってゲストハウスも空き家をリノベーションしたものを経営してみたいなと思っていたんです。私たちが申し込んだのは「エリアブランディング&マネジメント」のテーマラボだったのですが、説明を読んでここでなら空き家活用について学べるのではないかと期待して申し込みました。

現実的な厳しさも、
夢を迎え入れてくれる場所があることも知りました。

LVLで印象的だったことを教えてください

達矢さん:空き家活用を学びたいと思ってテーマラボに参加してみたら、実際に扱っているテーマはエリアブランディング(まちづくり)という大きな視点だったんですね。そうしたギャップがあったからこそなのですが、テーマラボの初回時にメンターの入川秀人さんに「きみたちはエリアブランディングが何たるかを分かってない」と怒られたことは印象的な出来事でした。「わかってないからここに来ているのに……もうやめてやる!」と勢いで思いましたが、参加費もすでに振り込んでいるし元をとろうと思い直して何とか修了することができました(笑)。情に厚い入川さんは今では懐に入れてくださり、とても良い関係性を築いています。とにかくメンター・ファシリテーターのお2人ともキャラが濃くて、まるでベテランの漫才コンビに弟子入りしたような半年間でした。

半年間の中で、企画内容はどのようにブラッシュアップされていったのでしょうか

達矢さん:まず、ポジティブな意味で自分の限界を悟っていった半年間でした。企画は妻が圧倒的にうまいし、では自分は何ができるのだろうとLVLに参加する前とは違う段階のより実践的な面について考えるようになっていきました。

奈穂子さん:同じテーマラボの仲間には不動産業に携わっている方が多くいたので、私たちが何となく「この建物いいよね」と言ったとき、「ここはこういう理由でゲストハウスとしては機能しない」「駅近でないとゲストハウスとしては厳しい」など物件に対してのリアルな視点を教えてくれて、そうした面ではとても鍛えられました。

また最後のプレゼンでは、各地のお店を始めたい・商いをしたい・している人に向けて、自分たちの特技であるWEB制作・デザインスキルを提供するプロジェクトとして「WEBの寺子屋×ゲストハウス」という内容の企画を提出したのですが、地域の人たちからの反応がとてもよかったんです。自分たちのアイディアは地域で求められていて、迎え入れてくれる場所があるのだなと分かったのは貴重な体験でした。

まちの元気を考える、
そうしたあり方のほうが「かっこいいな」と
気持ちがシフトしていきました

LVLに参加前と参加後で、どのような変化がありましたか

奈穂子さん:ただゲストハウスをつくって自分たちが満足するのではなくて、まちづくりに関わりたいと気持ちがシフトしていったことでしょうか。

入川さんには、「ただゲストハウスをつくるのではだめだ、まちの中で一角を担うような存在として意識をしないと。ゲストハウスはあくまで機能であって、目的ではない」と半年間言われ続けていました。正直、最初はその言葉の意味がよく分からなかったのですが、半年間の中で実際に入川さん、ファシリテーターの寺井元一さんのプロジェクトに参加させていただいて、自分たちの活動でまちが元気になっていく様子を教えてもらううち、段々とそうしたあり方のほうがかっこいいなと思うようになっていきました。

LVLはどのような学びの場だったと感じていますか

奈穂子さん:振り返ると、ラボメンバーといつも議論ばかりしていた印象です。受け身の姿勢だけではなく、自分から議論に加わっていくことが求められる環境だったと思います。

達矢さん: 僕にとっては「異文化コミュニケーション」の場でしたね。自分たち夫婦はWEB業界の人間なので、このラボでは普段会わないような他業界の人たちと出会うことができました。

奈穂子さん:確かに。むしろ私たちの方が、不動産業界で働く人の多いこのテーマラボの中では異質な存在だったかもしれません(笑)。

今後どのように活動を進めていこうと考えていますか

達矢さん:LVL参加後は、今後の可能性を探るために2人でLVLで縁を持った地域をいくつも訪ねてきました。現在も、自分たちにしっくりくる土地を探している最中です。

また、僕自身はこれから取り組みたいテーマが「まちづくり」なのかどうかは現時点では確信を持てていません。ただ、「刺激のある文化をつくる」ということは人生のビジョンとして一つあるので、今携わっているWEB制作の仕事を見つめなおすことも含め、地方で何かするにせよ、自分ができることを模索していきたいと思っています。

奈穂子さん: 私はこれまでのキャリアでデザインを含めものづくりをずっとやってきたのですが、世の中の役に立つようなデザインを生み出したいという自分の軸があって、例えば福祉の現場など本来必要とされているのにデザインの力が行き渡っていない場所で生まれる新しい“化学反応”を見てみたいと思っているんです。そして、そうしたことが叶う場所が地域にあるのではないかと可能性を感じていて。これからも、ゲストハウスとWEBやデザイン、クリエイティブを掛け合わせた場をつくることができる地域と出会えるよう、ご縁を探していきたいと思っています。

LVLに参加する方へメッセージ

「地域」をテーマに何かをしたい方、自分のアイデアを形にしてみたい方はぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。 企業で働いていると、企業の理念や経営方針に合わないと「やりたいこと」を諦めたり、形を変化させたりすることがあると思いますが、ちょっとだけ、いつもと違うアプローチをしてみても楽しいかも。私の場合、LVLの参加が、普段とは違う実験的なアプローチとなりました。 「自分がやりたいこと」=「MYプロジェクト」として、自分で動けば良いと思うのです。 別に会社を辞めて挑まなくても良いし、失敗したって何のリスクもない。仕事帰りにLVL の課題に時間を費やして、休みの日に仲間や先生と意見をシェアして、LVLが終わる頃には自分のアイデアが発芽していることに気がつくと思います。 アイデアの種にLVLの栄養素満点の肥料と水と光をあげて、グングンと成長してみませんか。とっても楽しい一歩に繋がること間違いなしです。