INTERVIEWLOCAL VENTURE LABLVL OBOG 19.02.08

本心とつながること、 そして本心は伝わるということ。 これからの人生の拠りどころになる、 大きな学びを得ました。

  • 第1期生

Café iegoto オーナー

南澤 克彦 さん

東京都出身。広島の大学を卒業後、東京の企業に就職。25歳で脱サラし、再び広島市へ。2015年、広島県安芸高田市「地域おこし協力隊」就任を機に家族で本格移住。協力隊の任務満了後の2018年4月、空き家を自らリノベーションしCafe iegoto (イエゴト)を開業。田んぼや畑、狩りにキコリ、手料理・手仕事など『暮らしを自分たちの手でつくる』ことに軸足を置きながら、その先にある生業(Café、ジビエ、革細工、Workshop…)づくりに奮闘している。

協力隊の任期終了後も、
この土地で自分の力で勝負していくための
自信をつけたかったんです。

LVLに応募した当時のお仕事を教えてください

広島県安芸高田市で地域おこし協力隊をしていました。
そもそもは、会社勤めしてお金稼いで、裕福な暮らしを目指すことが当たり前だと思っていたので、大学卒業後は東京でサラリーマンとして働きだしました。でも、その生活を40年続けた先の姿にあまり希望を感じられなくて、25歳のときに意を決して脱サラしたんです。まだ若かったので、自分が何者かであって欲しくて……、夢を追いかけてミュージシャン目指したり、金儲けに走って自己啓発セミナーにハマったり、環境・社会問題が気になって市民活動に傾倒したり……。当時は大真面目に取り組んでいたつもりでしたが、振り返るとメチャクチャですね(笑)
もがく中、だんだん関心がローカルへと向かっていって、再々足を運ぶようになった里山で、自然と共に穏やかな日々を送る人々に出会いました。その姿に憧れて「自分たちも自然を暮らしに活かす術を身につけたい」と思い里山へ移住して、地域おこし協力隊になりました。LVLに参加した2017年は、任期の最終年度でした。

どのようなきっかけでLVLと出会いましたか

協力隊のミッションで猟師になって、その関係で「狩猟サミット」に参加したときに出会った方がETIC.とも関わりの深い方で、そこからLVLの存在を知りました。

LVLにどのようなことを期待して申し込みましたか

LVLのことを知ったとき、これは今の自分に必要な場所だと感じました。ちょうど任期終了後の仕事を模索していたタイミングで、引き続き里山で暮らしたいと思っていたものの、就職はあまり考えていなかったんです。自分の力で勝負してみたいけど、特に勝算があるわけではなく、不安も大きかったので、ローカルで生業を作るためのヒントを得たいと思い申し込みました。
また、僕が参加したテーマラボのメンターは憧れていたエーゼロ株式会社の牧大介さんで、彼のもとで学びを得られることにも大きな期待を抱いていました。同時に、地域で生業をつくることに対して意識の高い仲間と出会い情報交換していくことも楽しみでした。

ビジネスじゃない
自分は持続可能な小さな商いを作りたいのだと、
目指す方向性が定まっていきました。

どのような起業プランを考えていたのでしょうか

最初はざっくりと「カフェを経営したい」と考えていました。よくあるやつです(笑)。環境問題に興味があって、持続可能な社会とか自給自足や地産地消、薪を燃料にするエネルギー循環などに憧れて、仲間と色々挑戦していました。自分の手でいろいろ作り出すのが純粋に面白くて、これからも仲間を増やしながら自分たちが「いいなぁ」と思う暮らしを実践していきたいと思ったとき、人が集う場所としてのカフェを運営してみようと考えたんです。
ただ、とてもフワッとした感じで、あれやこれや手を出し過ぎて中途半端に散らかっていました。また、小商いは少しずつできつつあったのですが、協力隊の安定収入がなくなったあとの不安もありました。

LVLで印象的だったことを教えてください

一つ目は、自分の目指す方向が明らかになっていったことです。憧れの牧さんのもとで彼のビジネスマンとしてのあり方を学ぶことで、一方の自分は暮らしの延長線上に持続的な小さな商いを作りたいのだと自覚していきました。
二つ目は、最初のプラン発表の場でのこと。憧れの存在に認めてもらいたくて、「あんなこと、こんなことやってきました。それを合わせてこんなことします!」と過去の栄光を詰め合わせた“自分デキます!”的なプレゼンをしてしまいまして、自分では「ドヤっ!」と思ったのですが「それで、何がしたいの?」とまったく伝わらなかったんです(笑)。でも最初は何で伝わらないのか、わからなかったんです。
その後、何人も他の仲間のプレゼンを聴いていると、自然と気づくんです。中にはスッと心に入って響いてくる話をする人がいる。何が違うのか比べるとよくわかる。響く人は本心で言っている。心の底から言っている。見栄とかハッタリとか損得とか、理屈でさえもなくて、伝わる人は自分自身としっかりつながっている。振り返るとメンターもそこしか見てなくて、質問したり、揺さぶったりしながら、心根を探す手伝いをしてくれてたように思います。その「本心とつながる」ということをおぼろげながら掴めたことは大きかったです。

メンターやファシリテーターとはどのような関係性でしたか

メンターの牧さん、そしてソトコト編集長である指出一正さんからは、新規事業を一緒につくる部下のように意見をビシビシ伝えてくれるなどの厳しくて温かいサポートを受けました。またファシリテーターとして入ってくださった株式会社エ―ゼロ厚真 取締役の花屋雅貴さんは、ラボ中はもちろん終了後も折に触れて連絡をくださったり、個別に相談に乗って頂いたり、もう「兄貴」という感じで慕っています。本当に出会えてよかったと思っています。

着飾ることのない、
素のままの言葉は伝わる。

LVLに参加前と参加後で、どのような変化がありましたか

メンターやファシリテーター、そして仲間から質問攻めにされる中で徐々に自らのコアが見えてくるようになりました。最終プレゼン前、それでも自信のなさなのか、誰かのコトバの受け売りで資料を作った僕に、花屋さんは「持続可能な世の中とか、レジリエンスとか耳障りのいい言葉はいらないから、そのままの自分を表現してみて欲しい。それがアナタのいいところだから」と言いました。
その言葉をきっかけに、自分の中にあるものと取って付けたものの仕分けができるようになりました。徹夜で作りなおした資料で臨んだ最終プレゼンは、着飾ることなく素のままでしたが、多くの方が受け入れてくれて、「面白かったよ」「行ってみたい」と声を掛けてくれて、自分の心根とつながった言葉は伝わるのだと実感しました。
私がLVLで学んだのは主にその2つ、本心とつながったときの感覚と本心は伝わるということでした。豪華なメンターや志の高い仲間との時間を半年間も過ごしながら、最大の気づきが内面のことであるのがいささかおかしいですが、これからの人生の大きな拠りどころになりました。

今挑戦している活動を教えてください

2018年の春から、安芸高田で念願のCafe iegoto(イエゴト)を夫婦で始めました。今は誰かのために自分の時間を使い対価としてお金を稼ぐ暮らしが多いですが、自分の暮らしを自分でつくるあり方を大事にしていきたいと思い、カフェを拠点に皆で田畑を耕したり、ワナに掛かった鹿を一緒に捌いたり、子どもと一緒に山に入って薪を拾ってくる活動を続けています。

LVLを通して全国に仲間ができて、フェイスブック経由などで情報が入ってくるので、そのネットワークが今の活動にすごく力になっています。先日も東京から同期が安芸高田に遊びに来てくれて、意見をくれたりしました。東京のエキスポに参加したときにも顔を出しにきてくれたりと、同期には今でも本当に助けられています。「自分がおもしろいと思うならやっちゃえよ」、そんな学びを得られたLVLでした。

LVLに参加する方へメッセージ

私が思うLVLの魅力は4つ。まずはメンター。最前線で活躍する方々の考え方・モノの見方に直接触れ、質問ができ、フィードバックまでもらえる環境は貴重そのものです。次に運営体制。ファシリテーターとETICのスタッフがしっかりフォローしてくれるので、安心して自分の事に集中できます。3つめは仲間。これは全国に親戚ができた気分♪ 最後は知ってもらえる場。ローカルな現場では地味な作業も多く、なかなか人目につくことがありません。が、まさにこの記事がそうですがETIC.というフィルターを通して存在を知ってもらえる可能性がある。というのはローカルで暮らそうという者にとって魅力的ではないでしょうか?