INTERVIEWLOCAL VENTURE LABLVL OBOG 19.02.08

移住を決めたLVLという場は、 振り返れば人生の岐路でした。

  • 第1期生

北海道下川町 地域おこし協力隊

山田泰生さん

重工メーカーにて技術職・営業職として働きながらMBAを取得。その後転職し、東海地方で航空機設計のプロジェクトマネジメント業務に従事したのち、2018年2月に北海道下川町へ移住。地域おこし協力隊の制度を活用した起業を応援する、「シモカワベアーズ」という仕組みのもとで現在エゾジカの利活用事業を展開中。

MBA同期たちの活躍をながめながら、
漠然と自分も何かしたい、しなくてはと
ずっと思っていました。

LVLに応募した当時のお仕事を教えてください

当時は東海地方の企業で航空機設計のプロジェクトマネジメントをしていました。それ以前のキャリアも造船所で使用されるような巨大クレーンの設計や営業などしており、まったく林業や地域への関連はありませんでした。

どのようなきっかけでLVLと出会いましたか

LVLに参加する半年前、日経ビジネススクール主催の「事業構想力養成講座」に参加したのです。そこで今の移住先である北海道下川町へフィールドワークに行き、町とのご縁が生まれました。その後、町の移住担当からLVLについて案内を頂いたことが参加するきっかけになりました。

LVLにどのようなことを期待して申し込みましたか

下川町に移住する2年前に仕事をしながらMBAを取得していて、それから漠然と何かしたい、動かなくては、という思いがあり、そうした自分の気持ちを具現化するきっかけを期待してLVLに参加を決めました。
MBAを取得したのは、最初に勤めていた企業でクレーンの構造設計から営業に異動することになり、まったくの畑違いで苦労したことがきっかけでした。マーケティング、ヒューマンリソースマネジメントなどMBA取得によりそれまでとは違った視点を得られましたが、やはり構造設計に戻りたいと思いその後設計志望で前職に転職、しかしながら配属はプロジェクトマネジメント部門になりました。プロジェクトマネジメントもプロジェクトをデザイン(設計)する仕事であり、扱うものが構造からプロジェクトに変わっただけで、やりがいを感じ勤めていました。
一方で、周囲のMBA同期生たちは続々と新規事業を立ち上げたり、企業のマネジメント部門に異動したり、仕事も続けながら故郷に戻りMBAを活用した地域サポートを始めたりしていて、「自分も何かしなくては」という思いが芽生えるようになりました。その時点で自分にはMBAの知識、プロジェクトマネジメントの経験がありましたから、ここまで知識、経験があれば自分で事業をやってやれないことはないだろうと思ったんです。

地域を、自分を、仲間の姿を知って、
「これは移住だな」と
思いを新たにしました。

どのような起業プランを考えていたのでしょうか

最初は林業に関心があって、その分野で何かしらできることがないかと考えていた程度でした。ただ実際にLVLが始まり、林業について調べていくうちに、事業サイクルが非常に長く地域おこし協力隊任期でできることは限られるなと感じ、また同じラボ生で木材の利活用を考える人が多く、同じことばかりでは面白くないなと思うようになりました。
それならば自分はあまり他の人の関心がない部分を担おうと、新たに取り組むテーマに悩んでいたとき、下川町でエゾジカを食べる機会があり、これは美味しいから商品になるだろうとエゾジカの利活用についてのプランに途中から路線を変更しました。下川町でジビエ産業はそこまで芽が出ていないので、よそ者の自分でも動きやすく地域にとっての経済効果も大きいだろうと考えたということもあります。

LVLで印象的だったことを教えてください

LVL講師の人が語った「風の人、土の人」の話です。それは、地域で仕事をするには土のように地域に根づいて動いていく「土の人」と、外部から風のようにコンサルティングや販売チャネルとして動く「風の人」がいるというお話でした。
実はLVLに参加する前は移住するなんてリスキーなことをするつもりはなかったのです。前職は続け安定した収入を得つつ、風の人として地域に入って仕事を手伝うくらいに考えていました。けれどこの話を聞いて、我が身を振り返り、性格的にも自分は土の人が向いていると感じましたし、自分の知識と経験をフルに使おうと考えると、「これは移住だな」と感じたのです。
また、LVLで多様な参加者の姿に触れたことも移住を後押ししました。人によっては想いだけを持って地域に入り、試行錯誤、七転八倒していました。コンサルタントや企業経営経験者などではない普通の人でも想いさえ持っていれば何かできるのだなと、それまで抱いていたローカルベンチャーへのハードルが下がっていきました。もちろん想いを継続する難しさがあると思いますが、地域に飛び込む垣根は意外と低いのだなと思えたことは、自分にとっては印象的なできごとでした。

最終的に移住先として下川町を選ばれた理由を教えてください

まず一つ目は、それまでの関わりの中でLV推進協議会に入っている地域は移住者受け入れの体制が整っている地域だと感じたことです。LVL参加中に自主フィールドワークとしてラボ同期生が地域おこし協力隊として働いていたまちを訪ねた経験から、下川町がLV推進協議会に入っていない他地域と比較して比較的移住者受け入れに慣れており、信頼感が持てる地域だと感じられたことも一つの決め手になりました。
二つ目は、起業を目的としていたので下川町が「シモカワベアーズ」という起業型地域おこし協力隊を募集していたことです。
そして、最後はLVLでメンターとしてお世話になったNPO法人森の生活代表理事の麻生翼さんが活動されている地域であったことです。移住後もサポートしていただけるし、ここでならやっていけるかなと思えたので移住を決めました。

地域に入って感じる、
LVLで築いたコネクションに
支えられている安心感。

LVLは山田さんにとってどのような機会でしたか

振り返れば人生の岐路だったと思っています。LVLに参加して移住することになったようなものなので。また、自分とはまったく違う価値観の人たちと出会う機会でもありました。普段自分が所属している社会からは“常識外れ”とされるようなことをしている人たちに出会い、そういう世界もあるのか、考え方もあるのかと、同じ日本人なのにカルチャーショックを受けた記憶があります(笑)。
LVLではプランを作ることがゴールになりますが、地域で何かしようと思っている人にとってちょっとしたお試しの場になると思っています。すでに地域に入られている方にとってはプランを立てて実践していく場になり、以前の私のようにまだ地域に入っていない人の場合には、自分のプランが実際に地域でどう評価されるのかを知ることができます。

今挑戦している活動を教えてください

北海道下川町には「シモカワベアーズ」という地域おこし協力隊制度を利用しての起業を応援する仕組みがあり、現在そのメンバーとして下川町でエゾジカの利活用事業に挑戦しています。エネルギーをできるだけ使わずに、既存のインフラを活用してのエゾシカのプロシュートづくりを目指して試行錯誤中です。これがうまくいけば今後全国的にもめずらしい事例/商品として認知されていくのではないかと思っています。
また、シモカワベアーズとして、メンターだった麻生さん、そしてETIC.の方、さらに町内の方からは月1でメンタリングを受ける機会があり、LVLで築いたコネクションは実際に移住をした今でもとても頼もしく感じています。

LVLに参加する方へメッセージ

「ローカルベンチャーラボ」という名前の通り、「ラボ=実験室」です。 自分自身を実験に投じてみるつもりでLVLに参加されると良いと思います。 個性的なメンター、色々なバックボーンを持った人たちが集まるLVLの場で、自分の新しい可能性やとらわれていた固定観念に気づける面白い機会になると思います。 自分自身の変化を楽しんでください。