INTERVIEWLOCAL VENTURE LABLVL OBOG 20.03.31

自分が本当にやりたいことに気がつき、会社で新規事業が生まれました。

  • 第3期生

三井ホーム株式会社

和気敬子さん

三井ホーム株式会社から子会社に出向中。それぞれの家に合ったファサード、外周、庭などをプランニングする「エクステリア」のリフォーム部門を担当。2012年日比谷ガーデニングショー ライフスタイルガーデン部門金賞受賞。JHSハーブインストラクター中級。

故郷のまちづくりへの道を模索する中、
「まちをブランディングする」という視点を知って、
自分に必要な学びはこれだと思ったんです。

LVL応募当時はどんなお仕事をされていましたか?

三井ホーム株式会社で「エクステリア」という敷地内の外部空間全体を設計する業務を担当していたのですが、ちょうど参加年の春から三井ホームの物件を施工する子会社に出向が決まり、そこでエクステリアを担当していました。エクステリアの仕事を始めてから今年で8年目になりますが、その前は異業種で働いていて、子育てに一区切りついたタイミングでどうしてもガーデンデザインの仕事をしたいと学校に通って転職したんです。

LVLに興味を持ったのは、この数年間で一つの建物の外構を担うよりは、もっと大きくまちづくりに携わりたいと思うようになっていったからでした。私の故郷は広島県福山市なのですが、福山市を拠点にまちを素敵な場所にしたいと頑張られている建築家の方と出会い、その方と一緒に仕事がしたいと思うようになったことがきっかけです。それまでは自分の故郷のことを魅力的だと思うことができず、周囲も同様に「ここには何もない」と感じている人がほとんどだったのですが、その方の故郷のために頑張る姿に触発され、私も福山市を内外の方に素敵な場所だと思ってもらえるような場所にしていきたいと思うようになったんです。

 

どのようなきっかけでLVLと出会いましたか。

インターネットの広告だったと思います。当時、まちづくりに関心を持ったものの仕事にするにはどうしたらいいのか分からず、まちづくり系の情報を頻繁に検索していたんです。目を通してみたら「これこそ今自分が必要としているものだ!」と感じて、締め切り当日だったので慌てて申し込みました。

 

LVLにどのようなことを期待して申し込みましたか?

「エリアブランディング&マネジメント」テーマラボに申し込んだのですが、そこで語られていた「まちをブランディングする」という考え方がそのときの自分にはとても響いて、そうしたことを学ぶことが何かしらヒントになるのではと思っていました。また、まちづくりの仕事をするためのアプローチの仕方や、実際にまちに入ってから自分に何ができるのかを知ることができるのではと感じていました。このときはエクステリアにこだわるつもりはなく、全くゼロベースで考えていたんです。

違和感が拭いきれなくなったとき、
自分が本当にやりたかったことに気がつきました。

LVLで印象的だったことを教えてください。

「エリアブランディング&マネジメント」テーマラボは、他のテーマラボと比較すると中々厳しいテーマラボで、メンターの入川秀人さんからのフィードバックの厳しさには特に初回には衝撃を受けましたね。それでも当初は学びたい意欲が高かったので頑張ろうと思っていたのですが、正直発表する度に毎回落ち込んで、さらにエリアブランディングは何なのかをお二人から学ぶ中でこれまで学んできたことをことごとく覆され、自分の捉え方はなんて薄っぺらかったんだろうと気づかされました。

そんな中、一言でまとめると「そのエリアに何が必要なのかを見出していく」のがLVLで学んだエリアブランディングだったのですが、例えば福山市にカフェが必要だと分かったら本当に自分にはそれをやる覚悟があるのか? と疑問に思うようになったんです。フィールドワークやラボを重ねるたびに違和感が拭えなくなってきたとき、自分が本当にやりたいのはやっぱり「緑」に関わることなのだと気がつきました。

元々エクステリアの仕事を始めようと思ったのも、緑がすごく好きで植栽に興味を抱いたからでした。海外に行くと都市部でも人々の自然や緑と共存する意識が高く、市民が気兼ねなく寛げる気持ちのいい緑の空間が多いのに、日本ではなぜそうした環境や意識が整っていないのだろう、日本にももっとそんな空間を広めたいと思っていたんです。それなのに、働き出して工事期間や数字ばかりを追いかける会社に忙殺され、いつの間にか初心を忘れていたんですね。そこに気づかせてもらったことが、今回の一番の学びでした。

ラボ中の一枚

テーマラボのメンバーにそのことを伝えらたとき、どんな反応が返ってきましたか?

ラボの最中に「私のやりたいことはエリアブランディングじゃなかったかもしれません」と伝えたら一瞬空気が止まりましたが(笑)、それでも事務局の清水さんには「それはそれでよかったね」と優しい一言をかけていただき、残りの課程をどういったスタンスで参加したらいいのか相談したときも、「他のラボ生たちのプロジェクトもあるからそれを見てオブザーバーみたいな感覚で参加するのもいいと思いますよ」と優しい言葉をかけていただき、折に触れて気にかけてくださいました。

 

学んだことを今の自分にどうにか活かせないかと考え、
会社で新規事業を立ち上げました。

本当にやりたいことに気づかれて、どのような変化がありましたか?

違うと気づいた一方で、ここで学んだことは今後の自分の方向性には不可欠な内容で決して無駄ではなかったと感じていて、これを今の自分に活かせないかと考えるようになりました。故郷の広島県福山市を素敵にしたいと思って参加しましたが、今すぐ福山市に戻れるわけでもなく、そのときすぐに着手できるプロジェクトがあるわけではなかったので、ならば今の会社の業務の中に何とか落とし込めないかと思ったんです。

というのも、デモデイの前に他のテーマラボのメンターの方たちとの相談会があって参加したのですが、そのときに「すぐに地元に帰るのではなく、自分でできることを重ねて周囲が認知して、口コミで行政に繋がっていくこともあるよ」といったアドバイスをもらったんです。それを聞いて、今は置かれた環境で自分ができることで実績を積んでいけば、福山市で活動するための将来の大きな何かに繋がるのではないかと思うようになりました。

そこで、私の出向している会社ではそれまで新築物件のエクステリアしか扱ってこなかったのですが、エリアブランディングで「古いものを活かす」という視点を学んだこと、業界的にもこれからは新築の時代ではないこと、お客様側からエクステリアのリフォームのニーズがあっても業者がおらず取りこぼしが多いと耳にしていたことから、会社にエクステリアのリフォーム事業の提案をしたんです。ただ古い物を新しい物に変えるのではなく、そこに住む人や街のニーズを紐解き、街の歴史や環境も咀嚼して新たなエクステリアのデザインに可視化する。それがエリアおよび物件の価値を高め、ひいては空室率の低下に繋がる。そういうリフォーム事業を推進することを提案しました。その案がそうした事業の必要性を感じていた会社に受け入れられ、事業部ができ、提案者として私がその事業部を担当することになりました。

参加前は福山市に戻ってまちに入り込まなければまちづくりはできないだろうと思っていたのですが、今は会社で実績を少しずつ残して、遠方からの関わりでも福山市でのまちづくりに繋げていけたらと思っています。

 

メンター、ファシリテーターとはどのような関係性でしたか?

メンターの入川さんは心身共にパワフルな方で、結局最初から最後まで緊張していましたが、とても尊敬する方です。到底追いつけない存在です。また、ファシリテーターの寺井元一さんなくしては、私はラボで上手に学べなかったのではと感じています。私が緊張で上手く伝えられなかったときも、言葉足らずの数語を的確に拾って解釈して、いつも的確なアドバイスをくださいました。それがまったく間違っていないんです。私の人生の中で3本の指に入るほど頭の良い方です。清水さんは本当に優しい方です。清水さんがいなければラボを辞めていたかもしれません(笑)。最強の縁の下の力持ち的存在です。3者3様の違う個性を持たれた方たちで、あの3人だったからこそのチームだったと感じています。

中間合同ラボでのメンタリング中

参加後は同期とどのような関係が続いていますか?

先日、入川さんのご自宅で皆でBBQをして、そこで数か月ぶりに皆さんにお会いしました。直接会う機会は減っても、そうしてたまに集まったりしようとは話していますし、FBグループでは皆繋がっているので、お互いの近況を連絡し合ったり自主的なフィールドワークの計画もちょくちょく生まれたりしています。

テーマラボのメンバーと

今の取り組みへの手応えはいかがでしょうか。

先日は、植栽含めたマンションのファサードリフォームを提案したところ先方は非常に喜んで下さり、契約になった案件があります。ただ、事業が立ち上がり、各事業所へエクステリアの勉強会にもお伺いしましたが、正直まだまだ皆さんに100%理解していただいているとは言い難い状態です。いただくご依頼もすべてが思い通りの案件ばかりではなく、正直エリアブランディングを活かせるリフォームとは程遠い案件の場合もありますが、少しずつでも皆に認知してもらい、グループにこういう人材がいるんだということをアピールしていく時期だと捉えています。

今後いかに福山市と関わりをつくっていくのかも現在模索中ですが、実現に向けて今置かれた立場・状況でできることを少しずつでもやっていきたいと思っています。

LVLに参加する方へメッセージ

参加を検討される方は、分からないから学びたいという気持ちでこの場にいらっしゃるのかと思います。私もそうでしたが、学んでいくうちに段々と形になってきて、自分のコアが見つかる場所がLVLだと感じています。迷っているならぜひ参加してみてください。まずは一歩を踏み出さないと先に進まないので、ぜひLVLでその一歩を踏み出していただけたらと思います。