INTERVIEWLOCAL VENTURE LABLVL OBOG 19.04.02

どうしようかと悩むだけだった自分が、 動いて人を巻き込んでいける人間になれました。

  • 第2期生

農業生産法人・株式会社QFactry 代表取締役

前島達夫さん

農家として20年以上の経験を持つ。現在は山梨県上野原市でキヌア栽培をメインにした農業法人 株式会社QFactryを運営する傍ら、地域の就農人口の減少に課題を感じ自宅の古民家で関係人口を増やすために農家民泊を始めようと開業にむけて準備を進めている。

若い農家仲間を地域に増やしたい。
その想いだけを持って飛び込みました

LVLに応募した当時のお仕事を教えてください

農家をはじめて20年目を迎えていて、山梨県上野原市でキヌア栽培をメインにした農業法人 株式会社QFactryを運営していました。毎日家と畑を往復して、ただ純粋に農業をしていました。

前島さんが栽培されているキヌア

どのようなきっかけでLVLと出会いましたか

LVLに参加する3年前に県内の笛吹市から上野原市に移住したのですが、移住してみたら同じエリアに農家が少なく、このままでは地域の農業が衰退してしまうという課題意識を持つようになり、若い農家もしくは就農希望者の移住を増やしたいと思うようになったんです。そこで「地域おこし」や「地方創生」をキーワードに様々な情報を検索していて、LVLの募集をインターネットで偶然見つけました。

LVLにどのようなことを期待して申し込みましたか

就農人口を増やしたくても、実際には農業自体を楽しいと感じてくれたとしても仕事として選択してくれる人はなかなかいません。そこでまずは仕事として農業を楽しんでいる自分が農業の魅力を広めていこうと考えたのですが、発信することは苦手で、どこに行けばそうしたことが得意な人と出会えるのかもわからず手探りの状態でした。そんな中でLVLを見つけたので、説明会で状況を伝え観光交流ビジネスのテーマラボを勧めていただき、これからどう動いていけばいいのかを学ぶことを期待して参加を決めました。

考えを語り合える場があることで、
次の一歩が明確になる

どのような起業プランを考えていたのでしょうか

当初は具体的なプランがあったわけではなく、ただ移住者を増やしたいという想いだけでLVLをスタートしました。

LVLで印象的だったことを教えてください

フィールドワークでどこに行こうかとチームで話し合ったとき、農家民泊を体験したいと提案したら採用していただき、長野県茅野市で実際に農家民泊を体験することができたんです。その中で、具体的にこんな仕事をするのかという学びもありましたが、場所よりも何よりもやっぱり人が決め手なんだろうなと実感できたことは印象的でした。

最初は単純に、関係人口を増やしたいから観光事業だ、自分がキヌアを育てていてキヌアの農業体験は全国的にも珍しいのでそれを試してみてはどうだろうかと考えていたんです。けれど、たとえ農業体験が大変であっても、農家のおじさんの人柄に惹かれて何度も来たいと思うのだろうなあと、フィールドワークを通して考えが変わっていきました。チームの皆からも、「結局は人で、前島さん次第だよ」という言葉をもらい、確信に変わっていきました。

また上野原市にもチームの皆にフィールドワークに来てもらい、そのときにここは完全なる秘境で人がいなくなるのは当たり前だから農家仲間を増やしたいなら自分がやるしかないということ、暮らしている古民家自体が貴重なものだから、農業だけでなくこの古民家での滞在が価値あるものとして提供できるだろうというアドバイスをもらえたこともありがたかったです。

加えて、普段は20年後の農業の話など「自分はこうしたい」と考えていることを話す機会そのものがないので、月に1度話し合いの場があること自体にとても価値を感じていました。例えば皆さんに地域の魅力を説明する中で、他にもこうした魅力があるよというアドバイスをいただけることもありがたかったですし、最初は何ができるのかまったく分からないまま交流人口を増やしたいとただ思っていましたが、話し合いながら計画書を進めていく中で、市役所や若手の協力を募った方がいいと次の方針が定まり、自分がやるべきことを明確にしていくことができました。

古民家の景観。山々が美しい

屋内の様子。襖には絵が描かれていたりと、本格的なつくり。

メンターやファシリテーター、同期生たちとはどのような関係性でしたか

ファシリテーターでフォーシーズンズ代表の中島淳さん、メンターで茅野市 産業経済部 観光まちづくり推進室 室長の高砂樹史さんも知識も経験もある方で、こんなこと尋ねても大丈夫なのだろうかと躊躇するような踏み込んだ質問にも答えてくれる方たちでした。
ETIC.のスタッフの方たちもまるで友人のような感覚で接してくださり、応援してくれる仲間のように感じていました。

どうしようと悩むだけだった自分が、
動き出せる人間になっていきました

最終的にどんなプランが残りましたか

農家民泊を通して地域の交流人口を増やし、移住して就農てくれる人口を増やしたいというプランを提出しました。年間で100人程度が農家民泊してくれて、そこから1〜2名が移住してくれる状態にすることを目指したいと思っています。移住後の畑探しや農業を教えていくことは今の自分にもできることなので、その前段階の地域のファンになってくれる人を作る試みとしてこのプランを考えました。

LVLに参加前と参加後で、どのような変化がありましたか

LVLで仲間と集まって話していたことを今では市役所や近隣地域の農家の人たちと話し合えるようになりました。参加前は課題に対してどうしようかと悩んでいるだけだったのに、自分の暮らす地域でもまちづくりに興味のある人たちで集まり話し合ったり、動いていけるようになれたんです。まさか自分がこうやって実践していけるようになるとはと、正直なところ驚いています。

今挑戦している活動を教えてください

農家民泊は個人で進めるというよりは市と連携していきたいと思っていて、今はそうしたことに取り組んでいます。実際、農家民泊を始めるにあたり様々な環境整備が求められることが分かり、実現に向けてそうした必要事項を着々とクリアしている段階です。

現在、LVLのメンバーとはどういった関係性でしょうか

同期のメンバーとは、今でも東京に勉強会などで行く機会があると時間をとって近況報告をし合ったりしています。また、こうした学びの場に参加すること自体が初めてだったので、修了後も2期生の学びの場に関われるなど関係性が続いていくことが面白いなと感じています。

LVLに参加する方へメッセージ

これまでまったく動かなかった人間が、動いて人を巻き込んでいける人間になれたのはLVLのおかげです。ただ待っているだけでは地域はダメになるんだということを教えてもらいました。そうした体験を求めている方は、ぜひ参加してみてください。