地域教育創造ラボ 〜あなたの創り出したい教育で、どう飯を食うか

PROJECT

地域特性・対象・ニーズに合わせた、地域×教育の持続可能な事業モデルを探求する

今回の研究プロジェクトのテーマオーナーである徳島県上勝町では、現在町内における教育への関心が高まり、教育分野のプレイヤーが求められています。

しかし、教育現場には様々な課題があり、教育の分野で新事業を創りたいというプレーヤーは多く存在しますが、どのような対象・領域でどのような変化を生み出したいのかが抽象的で、事業目的の明確化まで至っていないケースも少なくありません。

インパクトのある教育事業を各地で生み出していくために、先行事例を学び、まとめ、可視化することで、それらの手法のメリットやデメリットを整理して理解することが必要であるとスタートしたのが、本研究プロジェクトです。

以下、2020年ローカルベンチャーラボ4期においてチームが行った初年度の研究結果発表をレポートします。

MEMBER
一般社団法人アスバシ代表理事/NPO法人アスクネット創業者・顧問
毛受 芳高
名古屋大学大学院修了。在学中に、若者が夢や目標、アイデンティティを持てない日本の教育に危機感をもち、卒業後にNPO法人アスクネットを創設。学校と地域の間をつなぎ、キャリア教育などの教育プログラムを学校で実施する「教育コーディネート」を全国に先駆け事業化。2007年より、経済産業省のキャリア教育推進の中心となり、全国へと波及させ、キャリア教育コーディネーターの認定制度へとつなげる役割を担った。内閣府「キャリア教育等に係る有識者との懇談会」、愛知県「産業人材育成推進協議会」など、政府の諮問委員会を歴任。現在は、愛知県内の公立私立35の高校にて、2000名を超える高校生のインターンシップを普及している他、新しい時代に必要な高卒就職の新しい形「高卒プロフェッショナルキャリア」を提唱し、推進している。
pangaea,LLC(合同会社パンゲア)/NPO法人Compassion/TCS認定コーチ
田中 貴大
1992年神奈川県平塚市生まれ。都留文科大学社会学科卒業。大学卒業後、小学校教師の道へ。1年間神奈川県内で小学校教師をした後、3年間シンガポール日本人学校に勤める。教師生活の4年間では一貫して、子どもが自分の意思で選択し、行動することのできる教育環境作りを何よりも大切にする。その一方で、そうした教育環境の実現は教師の力量に左右されているという学校の現状に問題意識をもつようになる。その解決には子どもと関わる大人のコミュニケーションスキルと、学校内外の教育活動の連携が鍵となると考え、帰国後はそれらを軸に複数の活動拠点を持ちながらにて修学旅行プログラムの開発や、コーチングスキルの教授、応用スポーツ心理学を元にした教育プログラムの提供など幅広く教育活動に関わる。
一般社団法人ウィルドア 共同代表理事
竹田和広
神奈川県育ち。高校時代に神奈川のまちづくりに関心を持ち始め、学生時代には大学の地域連携事業を中心に、様々な地域の活動に参画。その中で、地域の持つ教育資源に気づき、大学院在学中にウィルドアを起業。 その後5年に渡り横須賀を中心に地域資源を活用した高校生向けのキャリア教育プログラムの設計や学びの場づくりを行う。また、地域での活動と同時に、様々な企業・NPOと協働し、新たな教育の仕組みづくりにも挑戦中。

INTERVIEW

上勝町がプロジェクトを始めるに至った背景

テーマオーナーである徳島県上勝町は、2018年に四国で唯一の「SDGs未来都市」として政府に選定されました。

目の前の課題解決だけの視点でまちづくりを進めるのではなく、これから生まれてくる世代や町を取り巻く社会情勢の変化などを予測しながら、町のありたい姿を描くという取り組みを進めています。

その中で生まれたのが、「上勝チャレンジ宣言」。

この宣言をつくる過程で、町民の教育への関心の高さが明らかになりました。これを機に、徳島大学と連携して保護者向けのワークショップを行うなど、少しずつ町内でも子どもたちの教育に対する動きが見え始めました。

そうした上勝町での教育の動きを更に加速させたいという思いで生まれたのが、今回の研究プロジェクトです。

 

 

全国の教育事業先行事例のマネタイズを可視化

プロセスは全5回、初回はメンターの毛受さんからの講義を受け、活動地域の教育課題を以下のような3つのレイヤーと発達段階で整理、アクションを起こす領域を明確化することから始めました。

 

以降4回は研究メンバーであるラボ生自身が学びを得たいゲストを誘致。

そのゲスト選定のために教育事業の先行事例を整理するシートを作成し、対象としている領域、事業モデル、基軸概念などに加えマネタイズの側面からその特徴を可視化し、一覧化。

そのうえで事業パターン・収益パターンを分類し、いくつかの全国の優れたモデルをピックアップ、事業パターンをどのように組み合わせ持続可能にしているのか整理しました。

 

どの地域でも転用可能な研究プロセスを開発

最終成果としては、この研究プロセスを通してメンバーが持続可能な収益モデルに対して仮説を持てたと発表。

さらにこのプロセスは地域を問わず転用可能なものになったと語ります。

特に教育事業の先行事例を整理したシートの作成を通して検討が進み、各自理想とする事業のモデルについて考察を深めることができたと振り返りました。

 

 

THOUGHT

LOCAL R&D CENTER への想い

地域を横断した教育事業の交流をつくっていきたい

今後の課題として、理論上良いものであっても、その地域の暮らしや文化に本当に溶け込むものなのかどうかは地域に入らなければ見えてこないものがあるとし、初年度はそこまで掘り下げることができなかったことが挙げられました。

また、上勝町としては今回の研究プロセスを町が運営する起業塾に転用し、メンターの田中さん自身も上勝町のプレイヤーとして今回の研究結果を活用していくとのこと。

今後は、今回の研究プロセスをアップデートしながら、自治体内の子どもの数に左右される地方での教育事業展開について、ローカルベンチャーラボでのつながりを活かしながら地域を横断した教育事業の交流を作ることで課題解決を図っていきたいと研究チームは構想しています。

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